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フランス美術

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フランス美術〜パリ3大美術館〜



フランスに行ったら、ぜひ美術館巡りをしましょう!
フランスの美術館では、中世から現代に至るまで、 フランス美術の流れを
全て見ることができます。他の国にも フランス美術の展示はされていますが、
印象派中心であることが多く、フランス美術を見るならやはりフランスです。
そして、その中心はパリです。

パリでは、巨大な3つの国立美術館があります。
ルーブル美術館、オルセー美術館、ポンピドゥーセンター内にある近代美術館。
この3つの美術館では、それぞれ時代毎にフランス美術の展示をしていますので、
美術史の流れがわかります。



◆ルーブル:中世から19世紀半ばまで◆

まず、世界最大の美術館と言って過言ではないルーブル美術館では、
中世から印象派直前までの美術品を歴史順に見ることができます。

19世紀の大作だけは特別コーナーを設けており、確かに見応えのある作品が
ふんだんに展示されていますが、ツアーで行くとフランス美術の鑑賞は
そこだけで終わってしまうことが多いのが残念です。

 フランス美術史は14世紀の宗教画から始まりますが、
 17世紀の明暗の対比が素晴らしい画家
 ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの作品は
 是非見ていただきたいです。(『大工のヨセフ』)

 ヴェルサイユ宮殿の室内装飾を担当したル・ブランの
 迫力のある絵もこの時代のものです。

 18世紀では、ワトーやフラゴナールなど
 貴族の間で流行した優美なロココ様式の絵が
 華やかさを醸し出しています。

19世紀になると日本でもよく知られている画家達が登場します。
新古典主義のダヴィッドやアングル、平和な時代に冒険心を掻き立てたロマン主義の
ドラクロワやジェリコー。
印象派直前には、フランス美術史上初めてと言ってよい風景画が登場します。
コローの風景画は、都市化が進むパリの人達に愛されました。

もちろん、ルーブルにはフランス美術だけでなく、ダ・ヴィンチやラファエロなど
ルネッサンスの巨匠の絵もありますので、お見逃しなく。


◆オルセー:印象派前後◆

オルセー美術館では、日本人に一番好まれている印象派前後の画家の作品を
たっぷり見ることができます。『晩鐘』で有名なバルビゾン派のミレー、
労働者や普通の人々を描いて顰蹙を買ったクールベ、そして印象派へと続いていきます。

印象派以前の絵画は、「いかに現実(美化された現実)を正確に写し取るか」が重要でした。
そして遠近法や、劇的効果を与える明暗法などが工夫されました。

ところが、19世紀後半にカメラが発明されると、正確に写し取るという絵画の役割が
意味を持たなくなります。そこで、画家達は今までと違う表現方法を模索し始めます。
そこへ現われたのが、日本の浮世絵。

平面的で陰影がなく、大胆な構図で描かれた浮世絵は、パリの芸術家達に
衝撃を与えました。それをいち早く取り入れたエドアール・マネは印象派の父と呼ばれます。

そして、モネ以降が私たち日本人が
イメージする印象派だと思います。

印象派の登場は、それ以降の絵画の流れを
変える、長い美術史の中でも画期的な
出来事だと思います。

それ以前の国家のお墨付きを得た
「模範的な絵」の概念がことごとく
崩されたのですから。

印象派の特徴を一言で言うと「光の捉え方が変化した」ということだと思います。
風景画は外で描くものだと思いがちですが(そもそも、コローの頃までは「風景画」
というもの自体が芸術として認められていませんでした)、印象派の時代になって、
初めて外で描くようになったのです。
それには、外でも絵の具が乾かない、チューブ絵の具の発明といった背景もあります。

印象派の絵は遠くから見ると、古典的な絵とは違った意味で現実を忠実に描いている
(見えた印象を描いている)ように見えますが、近くで見ると原色の太い線や点が
無造作に置かれているだけなのです。

これは原色の絵の具を混ぜ合わせると黒くなりますが、
原色の光を混ぜると限りなく明るく透明になっていく、という原理を応用したものです。
つまり、絵の具をパレットで混ぜるのではなく、見る人の目の中で混ぜるという考え方です。
ですから、印象派の絵は遠くから見ると明るく輝いて見えるのです。

その他、幸せな人々を描いたルノワールや、
バレエやホールなどで室内の光を浴びた人物を描いたドガも見逃せません。

オルセーでの展示は、その後のセザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン等の後期印象派、
スーラ等の新印象派、象徴派などへと続いていきます。


◆国立近代美術館:現代美術◆

ポンピドゥーセンター内の国立近代美術館では、オルセーに展示してある画家以降の
現代美術をたっぷり見ることができます。
印象派の時代頃までは、○○派とグループをひとくくりにできたのですが、
20世紀に入ると分類が難しくなってきます。ピカソのキュビズム(立体派)、
マチスのフォービズム(野獣派)などが有名ですが、
一人の画家でも時代によって画風が変わっていきました。


 画家も技法を工夫するだけでなく、
 描いてある内容で主張したり、
 描く過程に重きを置いたり
 (アクションペインティングと言って
 筆を使わず絵の具をキャンバスに
 垂らす画家さえ登場しました)、
 様々な芸術家が登場します。
 形も次第に失われ、
 
抽象的な絵画が増えてきます。(カンディンスキー『コンポジション』)

また、パリに移り住んで芸術活動をした外国人画家をエコール・ド・パリ(パリ派)と呼ぶなど、
美術の内容以外でくくられる画家も出てきます。日本の藤田嗣治もその一人です。




ポンピドゥーセンター
▲ポンピドゥーセンター


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